冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「一階は半地下がついた二部屋の間取りなんだって。私も入居するまで知らなかった」

夜泣きで少々困っていることを話したが、菜美恵に悪いと思ってフォローも付け足す。

「夜泣きで一番大変なのは親だから、毎晩頑張っていて尊敬する。でも、気になる音はそれだけじゃないんだよね」

「どういう意味だ?」

金槌でなにかを叩いているような鈍い音と低く響く機械音。

泣き声にかき消されてしまいそうな程度の音量だが、気づいてしまうと意識して耳を澄ませてしまう。

昨夜も同じ音がして、寝不足なのになかなか寝付けなかった。

子供が泣いて夫妻のどちらかがあやしている時に、もうひとりがなにか音の出る作業をしているということだろう。

子供の睡眠のために静かにしたほうがいいと思うのだが。

「ドンドン、カンカン、ジージー。毎晩、なにしてるんだろう……」

菜美恵に会った時に聞けばいいのかもしれないが、苦情と捉えられそうで言いにくい。

夜泣きについては度々『我慢しないでくださいね』と言われているので、今度ははっきりと引っ越しを提案されそうな気もした。

「どんな夫妻なんだ? 仕事は?」

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