冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「奥さんはたぶん専業主婦で旦那さんは会社勤めかな。朝、スーツ姿で出かけていたから。どんなと言われても、普通だよ。旦那さんは三十歳くらいに見える。標準体形で眼鏡をかけているくらいしか特徴がなかったけど」

菜美恵とは会えば少し話をするが、彼女の夫とは引っ越しの挨拶をした時しか言葉を交わしていないので、顔もぼんやりとしか浮かばない。

ひとつだけはっきりと言えるのは、ごく普通のどこにでもいそうな夫婦という印象だ。

「夜はうるさいけど、縞森さんは悪い人じゃないから警察の顔をするのはやめてあげて」

「シマモリ? 漢字と下の名前は?」

「縞模様の縞に、木が三つ。奥さんは菜美恵さんだった気がする。旦那さんの名前は知らない。ねぇ、なにを気にしてるの?」

「縞模様――」

なぜか大和の目つきが険しくなった。

葵から聞いた情報となにを結び付けたのか知らないが、頭の中で縞森夫妻の捜査を開始したのがわかる。

急に立ち上がった彼がこの部屋の鍵を手に玄関に向かう。

「外で電話してくる」

「う、うん」

(縞森さんって一体……)

普通の夫妻に見えたが、もしかすると前科があるのではないかと急に不安になる。

名前を教えた途端に大和が動き出したからだ。

十分ほど経って大和が戻ってきた。

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