冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
靴を脱いでいる彼のもとに駆け寄り、夫妻の犯罪歴について問いかけた。

「前科はないが、お前が言った夜間の物音が気になるから調べる」

「それだけで?」

答えないということは他にも理由があるのだろう。

「葵に頼みがある」

「なんの音って、縞森さんに聞きに行けばいいの?」

まさか自分が大和の仕事の役に立てるとは思わなかった。

階下の夫妻に感じた不安よりも喜びが勝り張り切ったが、違うようだ。

「直接、聞くのはダメだ。俺の予想が当たっているとしたら、証拠を消される恐れがある。この部屋から階下を調べたい。しばらく俺を泊めてくれ」

「わかった――って、えっ!? 一緒に住むってこと?」

思いもしない頼みごとに目を見開いた。

ふたりで夕食を食べるだけでときめいたり、緊張したりと心が忙しいのに、一緒に暮らせば倒れてしまうのではないだろうか。

長時間、平静を装える自信もなく、恋心に気づかれる心配もある。

返事ができずに固まっていると、彼の凛々しい眉尻が下がった。

「すまない、迷惑だよな。葵は捜査終了までホテルに泊まって――」

「大和さんと同棲したい」

気づけばそう口走っていた。

色々と心配はあっても、これが最初で最後のチャンスだと思ったからだ。

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