冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「う、うん。生活費たくさん出してもらってるから、どうぞお構いなく」

(あ、間違った。どうぞご自由に、だった)

いつも通りのすまし顔をしている彼とは違い、動揺しておかしな返事をしてしまった。

ツッコミはなくフッと笑われただけだが、その微笑にもときめいて動悸がおさまりそうにない。

(心臓が壊れないか心配)

残念ながら一緒に暮らしても、甘い雰囲気にはならない。

夜間、大和は仮眠を取るだけでずっと捜査をしているからだ。

葵は話しかけたいのを我慢して、自分もライターの仕事をしたり、邪魔にならないよう早めに寝たりしていた。

それでも『おやすみ』『おはよう』と声をかけ合うだけで照れくさく、シャワーを浴びてパジャマに着替えるのはもっと恥ずかしい。

(ドキドキしているのは私だけなんだろうな)

彼の恋愛対象に入りたいという想いは、日に日に強まっている。

上官の娘の件は解決したからといって安心できない。

誰にも取られたくないのなら、自分が彼の恋人になるしかないのだ。

なんとかこの機会に女性として意識されなければと意気込んでいるけれど、恋愛初心者なので自分から迫ることはできそうにない。

大和が窓側に置いてある大きめのバッグの中から、黒い長袖Tシャツを出して着ようとしている。

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