冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
(でも『俺のことはいいから』とは言わなくなった。さっきの夕食の時だって、学生時代は週三回、学食のカレーを食べていたって話してくれたもの。少しは進歩してる……よね?)

落ち込まないよう自分を励まし、捜査中の背中に声をかける。

「先に寝るね。おやすみ」

「おやすみ」

気を使って天井照明を消してくれた彼だが、こちらを見ようとしない。

警視庁の備品だというデスクライトの明かりだけつけ、葵に背を向けてパソコン前の床にあぐらを組んでいる。

(同じ部屋で寝ても、大和さんはドキドキしないんだ。色気がないのはわかっているけど、少しくらい意識してくれてもいいのに)

なかなか変えられない妹ポジションからどうやって抜け出せばいいのかと、横になって考えているうちに夢の中に落とされた。

暗闇の中に自分がいて、トンネルの出口のように十数メートル先がぽっかりと明るい。

大和が出口に向かって歩いているのが見え、その背に呼びかけた。

けれども振り向いてくれない。

走って追いかけようとしたが、泥の中を進んでいるかのように足が進まず、必死に手を伸ばした。

「待って、待ってよ――置いていかないで、大和さん!」

「葵!」

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