冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
睡眠時間が短いならなおさら、楽な姿勢で寝てほしい。

そう思い、ベッドに身を起こした。

「大和さん、私が寝袋を使うからベッドで寝て」

「いや、いい。気を使わせてすまないな」

「ダメだよ。狭いし床は硬いし、体が休まらないでしょ」

「大丈夫だ」

寝袋に片足を入れている彼のそばに行き、腕を引っ張った。

「ベッドを使って。お願い」

「葵を床で寝かせるわけにいかない」

暗くても彼が困り顔をしているのがわかる。

それでも、そんな理由で遠慮されては余計に後に引けなくなる。

「ベッドを使ってくれないなら、私もここで一緒に寝るから」

強引に寝袋に片足を入れると、体が密着して心臓が波打つ。

(もしかして、すごく大胆なことしてる?)

意識した途端に弱気になり、恐る恐る横を見る。

大和は片手で顔を覆っていた。

(呆れてる? ううん、なにか違う)

どうしようかと迷っているような雰囲気だ。

数秒して小さく嘆息した彼が、寝袋を出てベッドに移動した。

葵の提案を受け入れてくれたのかと思いホッとしたが、暗がりの中から艶のある声で呼ばれる。

「葵、ベッドで一緒に寝よう」

(えっ……!?)

どうせ一緒に寝るのなら、床よりベッドの方がいいと判断したのかもしれない。

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