冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
フルーツやケーキなどを手土産に月に何度も家に来てくれて、重たいものの買い物につき合ってくれたり、電球を替えてくれたり、映画や海に連れて行ってくれたこともある。

祖母が倒れて入院した時は駆けつけてくれて、泣きじゃくる葵のそばにいてくれた。

親身になってくれるのは、おそらく父への贖罪の気持ちからだろう。

けれども向けられる眼差しはいつも温かくて、大事にされていると実感していた。

そんな彼を頼りにし、兄のように慕っていた葵だったが、中学三年生の時に気持ちの変化があった。

その日、勤務後に家に来て葵の受験勉強をみてくれた大和が、急にカクッと首を垂れた。

連日、重大事件の捜査に追われていたようなので、相当疲れていたのだろう。

気絶するように寝てしまったのだ。

夜も遅い時間なのでそのまま葵の部屋に布団を敷いて寝かせ、パジャマ姿の葵は自分のベッドに入ろうとした。

すると祖母に止められた。

『加賀見さんはいい人だよ。でもね、男女のことだから万が一を考えないと。今夜はおばあちゃんの部屋で寝なさい』

一瞬きょとんとしたが、祖母が言わんとしている意味がわかると激しく動揺した。

< 13 / 218 >

この作品をシェア

pagetop