冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
それ以降、大和を兄とは思えず異性として意識するようになり、向けてくれる優しさにいちいち胸を高鳴らせているうちに気づけば好きになっていた。

そうなると彼の訪問を素直に喜べなくなってしまった。

本当の妹のように親身になられると悲しくなって反抗し、優しくされると嬉しい反面、恥ずかしさやひとりの女性として見られていない虚しさを感じる。

『そこまでしてくれなくていい。もう子供じゃないから』

可愛くない言い方で彼の優しさを突っぱねたことは数知れない。

葵の変化に最初は戸惑っていた彼も今ではいつものことだと気にしないようになり、それもまた悲しかった。

「大将のお任せで頼んである」

大将のお任せはコース料理で、一人前二万円からとメニューに書いてある。

葵との食事で彼が金額に上限をつけたことはない。

(ご馳走になってばかりで悪いと思ってる。私はなにもしてあげられないのに)

大和にプレゼントをした時が一度だけある。

それは彼に恋をする前の十四歳の時で、日頃の感謝の意味を込めて誕生日プレゼントを買おうと思った。

けれどもお小遣いの範囲内で彼が喜びそうなものを買えず、お金のかからないプレゼントをネットで検索して見つけたのが〝添い寝〟だった。

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