冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
『そんなことしてないよ。大和さんの誕生日なのに、お金で買える物はいらないって言うし、ネットで調べてこういうのがいいかもって思ったの。だって大和さん、事件続きで寝不足でしょ? 私に会いに来てくれる時間、寝てくれたらいいなと思って……喜んでくれないの?』

『気持ちは嬉しい。ありがとう。だが、二度と作らないでくれ。俺にくれたこの券を最後にすると約束してくれ』

その時の彼は受け取ってくれたが、使う気がなさそうだった。

てっきり捨てたのだろうと思っていたのに、ずっと財布に入れていたとは驚きだ。

見たところ財布はそれほど古いものではなく、新調した時になぜ処分しなかったのかと不思議に思う。

「ずっと持ってたの? どうして?」

その問いには答えてくれず、三枚分を切って渡された。

「朝までの三時間分を使う。ベッドに行こう」

凛々しい眉に精悍な瞳。真顔の大和に迷いのない視線を向けられて鼓動が跳ねた。

手を繋がれて引っ張られるがまま立ち上がり、ベッドまでの数歩を進む。

(私をベッドで寝せたいだけ。いつだって子供扱いだもの。なにも起こらないよ)

寂しいような悔しいような気持ちになると、一緒にベッドに入る勇気が湧いた。

「私、左側でいい?」

「ああ」

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