冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
まるで彼の方が片想いをしているような言い方に、目を見開いた。

(もしかして、大和さんも私を……)

期待が風船のように膨らみ鼓動が最大限に高まったが、その一方でぬか喜びで傷つきたくないと心に盾を構えてしまう。

出会ってから十三年間、恋の気配すらなかったのに、一緒にベッドに入っただけで彼の心を手に入れられるとは思えなかったのだ。

「大和さん、今の意味って――」

もっとはっきり言ってくれないとわからない。

彼の気持ちを確かめようとしたが、鎖骨付近に顔を押し当てられ話せなくなった。

「寝るぞ。夜が明けてしまう」

「うん……」

気になる問題を残している上にこの体勢だ。

まったく眠れる気がしなかったが、大和の貴重な睡眠時間は奪えず、黙って目を閉じるしかなかった。



* * *



警視庁のテロ事件対策室で大和は今日も指揮を執っている。

捜査員から続々と報告が上がってきて、全容が見えてきたところだ。

葵の部屋の真下の住人、縞森の夫の方が久地と繋がりがあるのも判明した。

『縞模様のシマ』

葵から階下の住人の漢字をそのように説明された時、大和が直感した通り、縞森は追っていたゼブラだった。

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