冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
久地と縞森はサバイバルゲームのサークルを四年ほど前に退会にしているが、その後もオンラインの戦闘ゲームを通じて交流を続けていた。

おそらく久地と付き合ううちに危険思想に染まり、テロ計画に加担したのだろう。

縞森が夜な夜ななにをしているのかもわかっている。

低く響く機械音は3Dプリンターの作動音で、金づちで叩くような音は部品を組み立てている音だ。

音声解析の結果、作っているものはライフルか拳銃と判明。

3Dプリンターで作ったものは本物に比べて強度は落ちるものの、数発なら発砲可能で殺傷能力もあると思われた。

(葵を守らなければ)

すぐにでも引っ越しさせたいところだが、理由を明かせない現段階では言うことを聞いてくれないだろう。

これまでに何度も生活資金の援助を提案したが、ことごとく拒否された。

自立した大人なのだから援助はいらないという頑なさの原因は、自分にあると最近になって思うようになった。

(今まで俺が子ども扱いしてきたせいだよな)

十歳も離れているのだから仕方ないとはもう言えない。

閉じ込めていた箱の蓋が開いた途端、葵への愛しさがあふれ出たからだ。

(この手で葵を幸せにしたい。高野さん、許してください)

時刻は間もなく正午になる。

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