冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
対策室の自分のデスクに座り、方々に連絡して捜査の調整をはかっていると、電話を取った部下から声をかけられる。

「加賀見参事官、昨日の音声解析結果が出たそうです」

「わかった」

銃火器の製造が判明してもまだ階下の音声を録音している理由は、縞森夫妻の会話から

妻の菜美恵がどの程度関与しているのか知りたいからだ。

広くはない家の中で夫の犯罪行為にまったく気づいていない可能性は低い。

しかし、菜美恵も一緒に逮捕できるだけの証拠が今はなかった。

パソコンに送られてきたファイルを開いて確認したが、昨夜の会話も犯罪とは無縁の内容だった。

嘆息した大和は立ち上がり、対策室を出てふたつ隣のドアをノックした。

室内に入ると窓にはブラインドが下ろされ、昼間なのに薄暗い。

数台のパソコンの画面の明かりに照らされる藪が、無垢な笑顔をこちらに向けた。

「加賀見さん、こんにちは」

「藪くん、こんにちは」

お決まりの挨拶のあとに「どうだった?」と問うと、頷いた。

頼んでいた情報を得られたようだ。

「三年分だよ。もっといる?」

「十分だ」

藪の隣でマウスを操作すると、菜美恵のインターネットでの買い物履歴が流れる。

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