冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
可愛らしい顔立ちの中に潜む、大人の色気や魅力。

普段は強気なのにウブさを隠せない目で戸惑いがちに見つめられると、男心を刺激された。

シャンプーのいい香りが鼻をくすぐり、抱きしめる片腕には柔らかさが伝わる。

最初は戸惑っていた様子の葵だったが、三十分も経つとスースーと寝息を立て始めた。

睡眠不足にならずにすんでよかったと思う大和の方は、一睡もできずに夜を明かしたのだ。

あの夜以降、葵が寝袋で寝ると言い張ることはなく、なんとなくだが避けられている気がする。

(いや、避けるというのは少し違うな)

今朝は大和が歯を磨こうとすると葵がついてきた。

洗面台の前はかなり狭く、ふたりで並べない。

先にどうぞと場所を譲ろうとしたが、詰めれば大丈夫だからとくっつかれ、歯磨きが終わると逃げるようにパッと離れた。

狭いキッチンで一緒に朝食の用意をした時も似たような感じだった。

最近の葵は自ら近づいてきて、逃げるように離れるのを繰り返している。

大和は首を傾げつつ、捜査のためにキッチン前に戻った。

(今も自分から俺を呼んだのに、逃げたよな。いつもと違う気がするのは、俺が葵を意識しすぎているせいか?)

浴室からシャワーの音が聞こえてきて、気持ちがそっちに引き寄せられる。

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