冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「だって、ドキドキしているのはいつもこっちだけ。大人の女性だとわかってるって言ってくれたけど、隣で寝てもなにもしてこないんだよ。魅力不足だからと思って……」

似ているどころの話ではなくなった。

(もしや、俺たちの話か?)

「葵」

鼓動を高めながら呼びかけると、眠そうな声がする。

「大和さんの背中、あったかくて気持ちいい。安心して、眠く……」

スースーと寝息が聞こえ、背中にあたる重みが少し増した。

自分たちの話なのか確かめたいところだが、可哀想なので起こせず、動悸がおさまらない中で内省に沈む。

(もし友人の話と偽って自分の相談をしていたのなら、葵が俺に惚れていることになるが……)

冷静に判断できない。大きな期待が邪魔をするからだ。

(わからないなら、明日の朝、起きてから葵に聞くしかない)

しかし聞いたところで、葵の性格なら正直に言わない気がする。

少し怒って自分の話じゃないとごまかしそうだ。

そう考えてしまうのも勝手な期待の表れだと気づき、勘違いでぬか喜びをしないように予防線を張った。

(考えれば考えるほど、自分にとって都合のいい仮説を立ててしまう。これ以上はやめよう)

葵が姿勢を崩しそうな気配がした。

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