冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
依頼していた汚職のスクープネタが入ったという連絡をもらったからだ。

十階建てのマンションの脇に愛車を止め、寒さから逃げるようにエントランスをくぐる。

オートロックの自動ドアを開錠してもらい、エレベーターで九階へ。

沢の部屋のインターホンを押すと、すぐにドアが開いた。

「沢ちゃん久しぶ――えっ、その恰好どうしたの?」

いつもの黒づくめのラフなスタイルではなく、ワインレッドのエレガントでセクシーなドレスを着ている。

髪は美容室で整えたのかきれいに結い上げられ、白いうなじが色っぽい。

耳には大粒の真珠のピアスが揺れ、初めて見るきちんとメイクした顔は大人っぽい極上の美女だ。

持ち前のミステリアスな雰囲気と相まって、同性の葵でも胸が高鳴った。

「まぁ、入って」

葵を中に入れた沢は、広めのワンルーム内を移動しながらアクセサリーを外し、黒い部屋着に着替えようとしている。

「こんな格好なのは、さっきまで人と会ってたから。今帰ったところなんだ。葵より先に着いてよかった」

「もしかしてデートだったの?」

恋愛に興味がなかった友人に恋人ができたのかと驚いて聞いたが、一笑に付された。

「まさか。目的は仕事に有益な人脈の形成」

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