冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
珍しいことを言うと思っていると、床に置いていた紙袋の中からワインのボトルを出して見せてくれた。

経済界の重鎮から、高級ワインと生ハム、クリームチーズやクラッカーをお土産にもらったそうだ。

(お洒落な晩酌セットみたい。お土産じゃなくて、君の自宅で一緒に飲もうというお誘いだったんじゃ……)

もらったけど、誘いはきっぱり断ったのだろうか。

葵なら相手に悪いと思ってしまいそうなので、「このワイン、十万以上するよ」と口角を上げた沢を尊敬した。

「ありがとう。でも私、お酒飲めないし、また今度ね。急いで帰って夕食も作らないと」

大和と同棲を始めてからというもの、有名店の美味しい弁当や宅配の料理をご馳走になってばかりだ。

ありがたいけれど申し訳ない。

今日はアルバイトの終了時間が早めだったので、自分が作るからなにも買わないでと、先ほど大和に連絡したのだ。

(大和さんの好きなカレーライスにしようかな。前に宅配してもらった店の海老のカレーがすごく美味しかったから、あんな感じのシーフードカレーを作ろう。今日のバイト代、結構もらえたんだよね。よかった)

喜んでくれる気がして心が弾む。

椅子を立ってリュックを背負うと、頬杖をついた沢に意味ありげな笑みを向けられた。

< 151 / 218 >

この作品をシェア

pagetop