冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「へぇ、夕食作るんだ。誰のために?」

「えっ、私、そんなこと言った?」

「言ったのを忘れるほど浮かれてるみたいだね。警視正の彼が自宅に来て手料理を食べさせる関係になったんだ。付き合ってるの? その辺、詳しく教えて」

「詳しくって言われても……」

「白状するまで帰れないよ」

沢が携帯電話を顔の横にかざした。

この部屋の鍵は電子錠で、ロックと解錠は携帯電話で操作ができる。

どうやらからかいではないようなので、椅子に腰を戻して苦笑した。

「実は今、大和さんと一緒に住んでる。でも色気のある話じゃなくて、捜査のために一時的に協力しているだけなんだ」

階下の住人については捜査に関わるので少しも話せないが、同居から今に至るまでを簡単に話した。

告白もしていないし、付き合ってもいない。一緒に食事をして、捜査中の彼を気にしながら先に寝る。

葵がムキになったせいで一緒にベッドで寝た夜が一度だけあったが、『手は出さない』と言われた通り、朝までなにもなかった。

照れくさく思いながらザッと説明すると、沢が顔をしかめた。

「一緒に住んでそれだけ? ヘタレ」

非難の言葉がグサリと胸に突き刺さる。

「そんなに簡単に告白できないよ。フラれるのが怖いもの」

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