冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
一気にボタンを外してコートを脱いだ。

勇気を出せなくても、ムキになればドレス姿を見せられた。

大和の目が見開かれ、絶句している。

大きく開いた襟から胸の谷間が少し覗いている。

沢が気を利かせて貸してくれたブラパットのおかげだ。

大和の視線が胸元に向いた途端に、恥ずかしさがぶり返した。

両手を交差させて胸元を隠し、口を尖らせて釈明する。

「バイト終わりに友達の家に行って貸してもらったの。勇気を出して着てみたけど、やっぱり似合わないよね? 自分でもそう思うから、大和さんに気づかれずに着替えようと思って……失敗したけど」

同じドレスを着ても、沢のような妖艶な色気は出せなかった。

拗ねた口調の言い訳も、子供っぽいと自覚している。

無言の大和はなにを思うのか。

(呆れてる? それとも似合わなすぎて、大人扱いはできないと思ってる?)

逆効果だったかと不安になる一方で、鼓動を高まらせているからなにも言えなくなっているのではないかという都合のいい期待も少しだけしてしまう。

気持ちを確かめるのが怖くて顔を見られず、背を向けると、肩にスーツのジャケットがかけられた。

(この恰好を見ていたくないから?)

落ち込みそうになったその時、突然、背中を抱きしめられた。

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