冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
身の安全を考えてくれたのはありがたいが、残念な気持ちも拭えない。

『俺が耐えられない。離れて暮らせば月に二、三日会えるかどうかだ。葵はそれで平気なのか?』

胸をときめかせたあの言葉は本心とは違うのかと疑った。

一拍置いて、大和が冷静な口調で答える。

『逮捕の日付は事前に話せないんだ。すまなかった』

「それはわかってる。私が聞きたいのは、すぐに引っ越しさせたかっただけで、一緒に暮らしたいわけじゃなかったのかなって――」

『嘘ではない。一番の理由はそれだ。葵と離れたくない。可能な限り一緒に過ごしたい。今、電話をかけているのも、お前のためというより自分のためかもしれない』

その声にわずかに焦りが感じられた。

大和は弁明しているだけかもしれないが、葵には恋心を刺激する甘い言葉に聞こえる。

くすぐったい喜びとときめきで、誰にも見られていないのに恥ずかしくて片手で顔を隠した。

返事ができずにいると、大和が嘆息した。

『頼む、信じてくれ。葵を愛しているんだ』

「う、うん。大丈夫。信じてるよ……」

(だからもう言わなくていい。心臓が壊れそう)

ホッとしたような声がして、明日の夜は帰宅するという約束をもらい電話が切れた。

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