冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
部屋が暖まったのでコートを脱ぎ、緑茶を淹れてソファに座るも、まだ照れくさい。

思いがけずもらってしまった愛の言葉が頭をリフレインする。

(私も愛してるって言えばよかったかな……む、無理。考えただけで顔から火が出そう)

縞森と仲間の逮捕の報道はまだ続いている。

逮捕時の映像が繰り返し流され、元警察官だという高齢の男性が解説を加えていた。

一大事になるところだったという話を聞いていると、やっと恥ずかしさから抜け出せて、代わりに気になったのは菜美恵だった。

昨日、引っ越し作業をしている時に、外に様子を見に来た彼女と少し話した。

『引っ越すことにしたんです。短い間でしたけどお世話になりました』

月並みな挨拶をした葵に、彼女は一瞬嬉しそうな顔をした。

上の部屋が空くのを喜んでいたのは間違いない。

(旦那さんが拳銃を作っていたこと、きっと知っていたよね。でも奥さんは逮捕されていない。どうして?)

事情聴取はされていると思うが、逮捕に至る証拠はまだないということか。

これは葵の勝手な考えだが、菜美恵を放っておいても危険はない気がした。

(ただ夫の力になりたくて、秘密が外に漏れないように協力していただけなんじゃないかな)

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