冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「月に一度のこの日があるから、なかなかスクープが手に入らなくても頑張れる。大和さん、いつも誘ってくれてありがとう」

先ほど太りたくないと言ったのを忘れるほど料理に夢中になり、本心が口をついて出たのに気づいていなかった。

大和の目が嬉しそうに弧を描く。

「うまいものを食べている時の葵はいい顔をするよな」

「いい顔?」

「笑顔が可愛い」

一切の照れなくサラッと答えた彼は、シャリが見えないほど大きくてプリプリなボタン海老の握りを葵の皿に移した。

「海老が好きだろ? やる」

「あ、ありがとう」

(今、可愛いって言った?)

久しぶりに聞いた褒め言葉に、顔に熱が集中する。

中学生の頃の葵は服を新調したり美容室で髪を切ったりした時に、見てもらいたくて大和に連絡した。

今思うと迷惑な呼び出しで、非常に申し訳ない。

けれども彼はどんなに忙しくても三日以内には必ず会いに来て、目を細めて可愛いと褒めてくれた。くだらない用事で呼び出すなとは絶対に言わなかったのだ。

彼の優しさに素直に甘えられたあの頃の、喜びと照れくささが蘇る。

(今でも可愛いと思ってくれてるの?)

微笑した彼がじっと見つめてくるから、さらに顔が火照る。

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