冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「言ってくれ。気になって仕事が手に着かない」

困り顔をされると申し訳ない気持ちになる。

すべてを正直に言うのは難しいが、安心してもらうために少しだけ心境を明かした。

「前に自然体でいろって言ってくれたでしょ? あれ、無理みたい。大和さんが気になっていつも見てしまう。でも目が合ったらドキドキして恥ずかしくて、普通じゃいられないの」

彼の表情から険しさが取れ、フッと笑った。

「そうか。俺と同じだな」

「えっ?」

葵の目にはいつもの彼と変わらないように見える。

同じはずがないと思っていると、片手を彼の胸に当てられた。

「いつもより脈が速いだろ? お前を膝にのせているのに、普通ではいられない」

(わかんないよ、そんなの……)

耳をつければ速い心音を聞けるのかもしれないが、そんな大胆なことはできない。

熱い顔で困惑していると、先に視線を逸らしたのは彼の方だった。

天井に向けて息を吐き、なにか呟いている。

「あと少し、耐えないと……」

「えっ、なんて言ったの?」

問い返しても答えてくれない。

その代わりに背中に両腕を回されて抱きしめられ、「愛してる」と甘く囁かれた。



翌朝、日も昇らないうちに葵は出かける支度をし、玄関で座ってスニーカーを履いている。

< 184 / 218 >

この作品をシェア

pagetop