冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
本当はゴルフコースに忍び込み木々の陰からプレー中の様子を撮影するつもりだが、警察官である大和の立場を考えて侵入するとは言わなかった。

けれども、その思惑は見透かされているようだ。

「スクープより安全を優先しろよ。ゴルフのルールを知っているのか? キャディが『ファー』と叫んだら、ボールが飛んでくるかもしれないから気をつけろ。バイクのヘルメットをかぶっていた方がいい」

(侵入については見逃してくれるんだ。でもヘルメットはどうなんだろう。白だから目立つでしょ。不審者ですって言ってるようなものだよ)

指示に従えそうにないが、「わかった」と真顔で頷いた。

ここで反論をして足止めを食うわけにいかないからだ。

「いってきます」

「くれぐれも気をつけて取材しろよ」

過保護な心配からやっと解放されて外に出る。

東の空がうっすらと明るくなっていて、日の出はもうすぐだ。

大晦日の早朝は人通りがほとんどなく、目の前の四車線の道路も車がまばらである。

(空いていて気持ちいい)

口角を上げて愛車を走らせる。

まっすぐにゴルフ場に行って待ち伏せるつもりなのだが、ふと思い直して安岐村の自宅へと進路を変えた。

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