冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
本当は引っ越したくないという気持ちが伝わってしまえば、過保護な彼のことだから、今の住まいの家賃援助をすると言いだしかねない。

本当の兄妹ではないのに、そこまで甘えてはいけない。

「今度はワンルームの家にする予定。ひとり暮らしにちょうどいい広さがいいと思って」

もらったボタン海老の握りを頬張り、幸せ顔をして見せたが、大和の眉間には軽く皺が寄っていた。

「金がないのか?」

「あるよ。生活に困らないくらいは稼いでいるから大丈夫。引っ越し理由は広い家の掃除が大変だからで――」

「俺に嘘は通用しない。困っているなら早く言え。俺が家賃を出す」

「それはダメ」

絶対に援助を受けない気持ちできっぱりと断り、重ねて言う。

「身の丈にあった家に住むのは当たり前でしょ。誰だってそうしてる。今まで散々お世話になっておきながら偉そうなことは言えないけど、あまり私を甘やかさないで。私は大和さんの妹じゃないんだから」

過剰な心配に対し、『妹じゃない』と言えば彼が反論できなくなるのはわかっていた。

案の定、もどかしそうな目をして押し黙り、数秒して「わかった」と嘆息した。

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