冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「ただし、ひとりで転居先を決めるな。治安のいい街でセキュリティの高い物件でないと許さない。俺が最終判断するから、勝手に契約するなよ」

「そういう物件は家賃が高いから無理」

「安定した収入の得られる仕事に変えればいい。そうすれば安全な家に住める」

「まだ、それを言うの?」

ライターという職業を選んだきっかけは、とある事件を追ったルポルタージュを読んだことだ。

大物政治家と企業の癒着を暴く内容の本に、葵の正義感が刺激された。

自分もそういう記事が書きたいと思い、高校卒業後は調査報道記者養成コースのある専門学校への進学を考えていると大和に報告した。

彼なら応援してくれると思ったのだが、渋い顔で反対された。

犯罪者を追うような取材は危険で、その道で食べていける成功者は少ないという理由だ。

大和の心配はわかるが、頭ごなしに『許さない』などと言われては、かえって頑なになる。

なんとか説得しようとする彼に『妹じゃないんだから口出ししないで』とぶつかって、黙らせたのだ。

その時のことも思い出し、強気な視線をぶつけると、困り顔をされた。

「心配なんだよ。なにかがあってからじゃ遅いんだ。今頃、危険な取材をしているんじゃないかと、仕事中もお前の顔がチラつく」

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