冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「昨日は夕方にタクシーに乗って料亭の方へ向かったから期待したのに、ハズレだった。喫茶店で普通に食事していて、そうしたら美女が現れて『偶然ですね』だって」

たしか、その週で三度目の偶然だと言っていた。

嬉しそうだった多野元を思い出し、「不倫のスクープはいらないのに」と愚痴をこぼした。

「どんな美女だ?」

「大和さんまで食いつくの? さっきは女性に興味がないようなこと言ってたのに」

「からかわなくていいから、その女の特徴を教えろ」

嫉妬したからつっこんだのだが。

「近くの大学生だと言ってたから、二十歳前後? でもすごく大人っぽくて色気があった。長い黒髪でスラッとして、男性が放っておきそうにないタイプ。それなのに自分から多野元に接近している感じがした。多野元は四十六歳だよ。見た目もしっかりおじさんなのに」

半分、独り言のように「おじさん好きな美女もいるんだね」と付け足すと、大和の目つきが険しくなった。

「あっ、おじさんをバカにしてるわけじゃないよ。好みはひとそれぞれだと思っただけ。それに大和さんは大丈夫。いくつになっても美女が寄ってくる見た目だと思うよ」

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