冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
気に障ったのかと思い、フォローのつもりで言ったのだが、そんなことはどうでもいいと言いたげにスルーされ、彼の声が低くなる。

「その女の日本語は、流暢だったか?」

「え? 言われてみると、少しイントネーションに違和感があったかも。アジア系の留学生?」

「多野元を尾行するな。危険だ」

「どうして?」

「いいから、言うことを聞け」

こちらは当たり障りのないことを話しているつもりでも、時々彼の顔つきが厳しくなり、刑事の雰囲気を醸す。

他の女性なら怯むかもしれないが、十三年間彼を見てきているので葵は少しも怖くない。

それどころか魅力に感じてゾクゾクし、密かに鼓動を高まらせた。

(刑事の顔をする大和さんも好き)

けれども恋心と従順さは別物で、もう少しで記事にできそうなところまで来たのにと反論した。

「やっぱり言わなければよかった。私の仕事、絶対に認めてくれないよね」

「そういう意味で止めたんじゃない」

「だったらなに? もしかして、私の情報を使って多野元の逮捕を考えてる? 手柄の横取りでしょ。逮捕は記事のあとにしてよ」

「贈収賄の事実があるなら、二課がとっくに動いてる」

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