冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
落ち込んでいるのが伝わらないよう、襖に顔を向ける。

「デザートはまだかな」

コース料理は、次に出されるデザートで終わりだ。

なにか特別なことがない限り、大和に会えるのはひと月後である。

「ここの和菓子、美味しいんだよね。なんでも作れる大将を尊敬する」

寂しさを紛らわせるためにデザートに期待を膨らませようとすると、カシャッとシャッター音がした。

「あっ、また撮ってる」

大和が携帯電話のレンズをこちらに向け、ニッと口角を上げている。

会うたびに彼は葵を写す。

子供の頃はカメラを向けられると笑顔でポーズを作ったが、高校生以降は恥ずかしいから拒否しているのに、こうやって隙をつくように写される。

「なんで撮るの?」

「単なる成長記録だ。気にするな」

「もう成長しきった大人なんだけど。せめて写す前にひと声かけて」

「言ったら、快く撮らせてくれるのか?」

「撮られたくない時もあるとは思うけど、それでも言ってよ。気を抜いた顔で写りたくない。絶対に変な顔をしてるもの」

もしかして、それを期待しているのだろうか。あとで見返して笑うために。

そう勘繰って嫌な顔をして見せると、携帯を下ろした彼が目を細めた。

「どんな表情でも、葵は可愛い」

「えっ……」

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