冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
可愛いと言われたのは今日、二度目で、またしても顔が熱くなる。

なんのご褒美かと鼓動を高まらせ、しかし子供に対して言うような気持ちなのだろうと思えば喜んではいけない気もした。

恥ずかしさに顔を逸らした時、彼が別の携帯を取り出した。

おそらく仕事用と思われ、その場で電話に出る。

「加賀見です――了解」

それだけ言って電話を切ると、眉尻を下げた。

「すまないが、俺の分のデザートも食べてくれないか?」

「緊急の仕事?」

「ああ。すまないな」

もう少し一緒にいたかったが、彼の職業の特殊性は理解している。

亡き父もかつては急な呼び出しで出動することがあった。

小さな子供だった頃は泣いたり拗ねたりしたけれど、今は大人なので寂しさを隠して作り笑顔を向けられる。

「今日はありがとう。またね」

「ああ。これ、タクシー代」

座卓に置かれたのは一万円札で、葵は首を横に振った。

「愛車で来たから」

「夜道の運転は危ない。タクシーで帰れ」

そういえばスクーターを買うと言った時も、二輪車で事故に遭えば大怪我をするからと反対されたのを思い出した。

(過保護。いらないと言ってもどうせ聞いてくれないだろうし、生活費に使わせてもらおう)

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