冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
スーツのジャケットを片手に立ち上がった大和が、襖を開けて出ていく前に顔だけ振り向いた。

「引っ越し先の候補は、画像を送信してくれ。もう一度言うが、俺の許可なく契約するなよ」

(過保護すぎ。いい加減に大人の女性として見てくれないかな)

彼の恋愛対象には永遠に入れない気がして、悔しくなる。

大和の広い背を見送りながら鼻の付け根に皺を寄せ、相談せずに引っ越そうと考えていた。



十一月に入り数日が過ぎた日の午後、葵は不動産屋に寄ってから友人の自宅を訪ねた。

とは言っても、遊びに来たわけではない。

広めのワンルームマンションの部屋には会社のミーティング室にあるような大きな楕円のテーブルが真ん中に置かれ、デスクトップのパソコンやノートパソコン、プリンターなどがのっていた。

フローリングの床は配線でごちゃごちゃしている。

キッチンと簡易ベットがあるので生活感はあるが、テレビも飾り物もなく、窓に下がるのは無機質なブラインドで、家というより職場といった雰囲気だ。

テーブルを挟んで友人と向かい合って座り、まずは文句を言わせてもらう。

「沢ちゃん、この前買った多野元のネタ、雲行きが怪しくなってきたんだけど」

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