冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
恋人が欲しいなら見た目に気を遣うと思うので、恋愛に興味がないものと思い込んでいた。

すると沢がニッと笑む。

「警視庁の警視正なら、色んな機密情報を持ってるはず。お金の匂いがプンプンして美味しそう」

華奢な色白の手がゆっくりと前髪をかき上げた。

久しぶりに顔のすべてを見せてくれて、心臓が波打つ。

切れ長の二重は凛としているのに色っぽく、鼻筋が高くて唇と額の形がいい。

ハッとするほど美形なのは大和だけでなく、沢もだ。

ミステリアスな雰囲気も合わさって、旧知の仲の葵でもゾクッとした。

すっぴんでこれなのだからメイクをして着飾れば、どれほどの美女になるのだろう。

(誰にも紹介する気はないけど、特に沢ちゃんには会わせたくない)

取られそうな予感に慌てて断る。

「沢ちゃんには美味しくないよ。大和さんはなにがあっても絶対に情報を漏らさないから。私でも、所属先さえはっきりと教えてもらってない」

「色仕掛けしても?」

(したことないからわかんないけど……)

「絶対に、ほんの少しも口を滑らさない。そういう人だから、近づくのはやめてね?」

「残念」

前髪を下ろした途端に、沢の雰囲気が元に戻る。

よかったと心の中で嘆息すると、見透かしたように指摘された。

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