冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
中に入っているのは食器や調理器具で、小さなキッチンの戸棚にしまおうとしたが、半分ほどしか入らなかった。
(収納スペースが狭すぎる)
大量にあった食器を引っ越す前にかなり処分したのだが、祖母のお気に入りの深鉢や父の茶碗やマグカップなど、どうしても捨てられないものが結構ある。
クローゼットにしまおうとしても、衣類や日用品、仕事道具が詰まったダンボール箱四つ分のものも入れなければならない。
(これ以上は捨てたくないのに、どうしよう)
頭を悩ませていると、携帯電話が鳴った。
SNSアプリに届いたメッセージは大和からだ。
会うのは月に一度程度だが、変わりないかと問うメッセージや電話は毎週ある。
いつもは気にかけてくれるのが嬉しいのに、今は眉尻を下げた。
【引っ越し先は探しているのか?】と書かれていたからだ。
物件の品定めを彼がするから勝手に契約するなと言われていたが、なにも相談せずに引っ越したので後ろめたい。
(大和さんに相談したら安い所はことごとく却下されるでしょ。家賃を払えないと言えば援助すると言われそうだし、勝手に引っ越すしかなかったんだよ)
叱られるのは嫌だが、嘘はつけないので仕方なく、不動産屋でもらった住所や間取りが印刷された用紙を撮影して送信する。