冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
制服の内ポケットから取り出したのは私用の携帯で、写真ファルダを開いてこれまで撮りためた何十枚もの葵の写真を眺める。

最近撮ったものは、気を抜いた表情や怒り顔ばかり。

不意打ちでないと写させてくれないからだ。

上にスクロールすると徐々に幼くなって、中学生の頃の写真は笑顔であふれていた。

葵の写真を眺めるひと時は心の癒しだ。

市販の栄養ドリンクよりもよほど疲労回復効果が高い。

あどけなさを残した笑顔の写真に目を細めてから、最新の写真に戻す。

先月、寿司屋で撮ったもので、襖の方を向いているため斜め横顔だ。

薄いメイクでもまつげが長くきれいな目をしている。柔らかそうな唇には艶があり、触れてみたいと感じた。

可愛らしい顔立ちの中に潜む大人の色気。

(こんなに大人びた顔をしていたのか)

同じ写真を見ても今までは気づかなかった――いや、気づかないふりをしていた葵の成長を今は無視できない。

そうすると箱に閉じ込めていた葵への感情が蓋を開けて漏れ出した。

(俺のものにしたい。そう思うということは、とっくに葵を女性として見ていたのか)

動揺を感じつつ、いつからそんな気持ちを抱くようになったのかと自問する。

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