冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「ここではマズイ。部屋に入ってからな」

いやらしい笑みを浮かべる多野元に眉をひそめると、隣の部屋のドアが急に開いた。

多野元たちは慌てた様子で室内に入り、ドアを閉めようとしたが、隣の部屋から出てきた男性にドアを掴まれて阻止された。

なにごとかと驚いたのは、ふたりだけでなく葵もだ。

(大和さん!?)

スーツ姿の大和がなぜかそこにいて、多野元の恋路を邪魔しようとしている。

おそらくこれも仕事なのだろうと思ったが、疑問は少しも解決しない。

(政治家の不倫を止めるのが刑事の仕事?)

目を丸くしている葵から見えるのは、大和の背中だけ。

片手でドアをこじ開けながら、警察手帳を出している様子だった。

「法律違反は犯していません」

怯みながらも多野元が反論し、大和が低い声で答える。

「多野元先生ではなく、後ろの彼女に対して提示しました。オウ・ユーシーだな。君の目的はわかっている」

多野元の背に隠れるようしている美女は、明らかに焦っている様子だった。

「わ、私はただの留学生です。この人と寝たらお金払うと言われたから!」

「協力したのは認めるんだな? 誰に頼まれた?」

「知り合いに紹介されて。名前は知らない。信じて。私、逮捕されることしてない」

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