冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
意識していないのをアピールするために、あえて彼の横に座った。

鼓動はますます高まるが、平静を装いあくびまでしてみせる。

すると大和が立ち上がった。

「なにか飲むか?」

窓際の小型冷蔵庫に近づいた彼が扉を開けている。

「いらないよ。喉乾いてない」

「そうか」

自分の飲みものも取らずに冷蔵庫を閉めた彼は、隣に戻らずに窓際のふたり掛けのソファに腰を下ろした。

(避けられた……?)

一瞬そう思ったが、単に冷蔵庫からソファが近かったからだと思い直す。

同じベッドに座りたくなかったのだとしたら、女性として意識されているということになり、それはあり得ないと思ったからだ。

咳払いをしたあとに大和が言う。

「家の片づけは終わったか?」

引っ越しから六日が経っている。

どうしても収納場所が足りないので、まだ使える日用品や衣類を少し処分し、昨日やっとダンボール箱からすべてを出せた。

「なんとか。食器を預かってくれてありがとう」

それについては感謝しているが、妹扱いが悲しくてムキになり追い出してしまったことも思い出した。

今さらながらに気まずい。

(誘ってくれる男性なんかいないのに、見え張って嘘までついたし……)

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