冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
指摘されそうな気がして身構えたが、暗い窓の外を眺めている彼は「ああ」としか言わなかった。

(大和さん?)

いつもと感じが違う。

会うと必ず葵の暮らしぶりや仕事について聞きたがり、それはやめろとダメだしばかり。過保護で口煩いのがいつもの彼なのに、今日はやけに口数が少ない。

この部屋に入ってから、目も合わない。

「なんでこっち見ないの?」

率直な疑問をぶつけると、視線を向けてくれたがすぐに逸らされた。

「お前の気のせいだ」

淡白な口調で言ってから、携帯を出していじっている。

一緒にいる時に彼が携帯を出すのは、職場からの電話や葵の写真を撮る時だけだったので、余計におかしく感じる。

大和に歩み寄った葵は、ソファの前にしゃがんで下から顔を覗き込んだ。

「言うこときかずに尾行してたから、怒ってるの?」

「怒ってない。だが今後は、俺が止めた時は本当に危険だと思ってくれ。お前のためだ」

「うん、わかった。約束する。言いたいことはそれだけ?」

「なにを聞きたいんだ?」

手元からこちらに移された視線に鼓動が跳ねる。

凛々しい眉の下の切れ長の目は、精悍な印象なのに美々しさもある。

きれいな黒目に自分の顔が映り、この目に十三年間見守られてきたんだと胸が熱くなった。

< 74 / 218 >

この作品をシェア

pagetop