冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「お前は意味がわからないと思うが、とにかくダメなんだ。言うことを聞いてくれ」

気まずそうな雰囲気で、落ち着きなく視線を動かしている。

頬は心なしか赤く、それに気づいた途端に葵の鼓動が急加速した。

(もしかして、女だと思ってくれてるの……?)

ふたりきりの状況でベッドを使えば、一線を越える可能性があると言われた気がした。

期待が膨らんでしまうと、恋心を抑えるのが急に苦しくなり、気持ちを伝えたくなる。

(勇気を出して言ってみる? 言わないと恋は実らないもの)

自問自答している数秒間、無言の間が空いた。

「余計なことを言った。今のは忘れてくれ」

葵の手首を離した大和が、視界に入らないでくれと言いたげに顔を背ける。

その頬を両手で挟むようにして、強引にこっちを向かせた。

「意味はわかるよ。大人だもの。ずっと子供じゃないとわかってほしかった。大和さんとなら私、同じベッドで寝られるよ」

一世一代の勇気を振り絞ると、彼が大きく目を見開いた。

そんなに驚かれると顔に熱が集中し、動悸は苦しいほどに加速する。

「葵……」

掠れた声を聞いた時、恋の緊張感を打ち破るかのようにインターホンが鳴った。

途端に警察の顔つきに戻った大和が、人差し指を唇に当てて立ち上がる。

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