冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「お気遣いはありがたいんですけど……あの、無理しないでくださいね?」
(ん?)
早く引っ越した方がいいという勧めだろうか。
申し訳ないと思って言ってくれたのかもしれないが、金銭的にそんな余裕はないのにと心の中で苦笑した。
「本当に大丈夫です」
「そうなんですか。ありがとうございます。では、私はこれで」
外へと顔を向けた彼女の背を見送る。
(私と同じくらいの年齢なのに、結婚して子育てしてる。すごいな)
二十代半ばの女性なので珍しくないとも思うが、男性との交際経験さえない葵にとっては自分よりずっと先を歩んでいるように見えた。
(夜泣きで起こされても私はベッドから動かないけど、縞森さんは抱っこしてあやしているのかな。毎晩のことで大変だ。愛する人との子供だから親は耐えられるのかも)
頭にぼんやりと浮かんできたのは、赤ちゃんを抱っこしている自分の姿だ。
その後ろには大和がいて、赤ちゃんごと葵を抱きしめ――。
「わーっ!」
自分の妄想に驚き、あまりの恥ずかしさに大声をあげた。
するとアパートの玄関を出ようとしていた菜美恵が「きゃっ」と悲鳴を上げ、血相を変えて周囲を警戒している。
そこまで驚かなくてもと思ったが、完全に自分が悪いので慌てて謝る。
(ん?)
早く引っ越した方がいいという勧めだろうか。
申し訳ないと思って言ってくれたのかもしれないが、金銭的にそんな余裕はないのにと心の中で苦笑した。
「本当に大丈夫です」
「そうなんですか。ありがとうございます。では、私はこれで」
外へと顔を向けた彼女の背を見送る。
(私と同じくらいの年齢なのに、結婚して子育てしてる。すごいな)
二十代半ばの女性なので珍しくないとも思うが、男性との交際経験さえない葵にとっては自分よりずっと先を歩んでいるように見えた。
(夜泣きで起こされても私はベッドから動かないけど、縞森さんは抱っこしてあやしているのかな。毎晩のことで大変だ。愛する人との子供だから親は耐えられるのかも)
頭にぼんやりと浮かんできたのは、赤ちゃんを抱っこしている自分の姿だ。
その後ろには大和がいて、赤ちゃんごと葵を抱きしめ――。
「わーっ!」
自分の妄想に驚き、あまりの恥ずかしさに大声をあげた。
するとアパートの玄関を出ようとしていた菜美恵が「きゃっ」と悲鳴を上げ、血相を変えて周囲を警戒している。
そこまで驚かなくてもと思ったが、完全に自分が悪いので慌てて謝る。