冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
『朝のゴミ捨てで見かけた時は普通の若者に見えたんだけど、普通じゃないのはたしかだな。勝手に花火を作ってはいけないのはわかってたと思うよ。でないと、こんな田舎に引っ越してこないでしょ。住宅密集地で爆発させたら、ごめんですまないからな。だけど、本当に花火なのかは怪しいんじゃない?』

事件発生時は供述に沿った報道の仕方をしていたが、どうやら様子が変わったようだ。

怪しい人物だと印象付けるようなインタビューのあとに、女性アナウンサーがキリッとした表情で言う。

『警視庁は対策室を立ち上げ、目的や交友関係、火薬の入手先を調査している模様で――』

(ふーん、警察は勝手に花火を作っただけとは思ってないんだ。交友関係を調査中ということは、グループでの犯行? まさか、爆弾テロを計画してたとか? こわっ。そうだとしたら、失敗して爆発させてくれてよかった。大事件にならずにすんだもの)

今の段階でそこまで断定できないが、その可能性を想像させる報道だった。

鮭とご飯を一緒に口に入れて、大和の顔を思い浮かべる。

(この事件のせいで忙しいのかも)

爆弾テロが疑われるなら、公安が動くはずだ。

ホテルで会った時の彼はしばらく寝ていない雰囲気だったと思い出す。

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