冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
あの日は爆発事件が発生した二日後なので、捜査態勢を急ピッチで整えていたのかもしれない。

(東京を守るため寝ずに働いていた人に、なんてことを言ってしまったんだろう)

『大和さんとなら私、同じベッドで寝られるよ』

あの時はここで勇気を出さなければと思ったが、時間が経つほど恥ずかしくなり、大和にしたら葵に困らされている場合ではなかったと知って、後悔が増すばかりだ。

公安所属を隠されていたショックはもう引いている。

仕事柄、言えないのは仕方ない。

しかし、あの時に感じた寂しさや悔しさは心に残ったままだ。

もっと大和を知りたいのに、話してくれないことに傷ついていた。

(会いたい……)

携帯を開いても、彼から連絡はなく眉尻を下げた。

ホテルで会ってから今日まで音沙汰がない。

今まではどんなに忙しそうでも週に一度は変わりないかと問う電話やメッセージがあったのに、こんなに間が空くのは初めてだ。

前回の食事会からひと月経ったのに、その誘いもなかった。

(すごく忙しいからだと思うけど)

不安が靄のように胸に立ち込める。

もしかすると避けられているのではないかと思ったからだ。

(私がおかしなことを言ったせい?)

< 86 / 218 >

この作品をシェア

pagetop