冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
井坂は軟派な気がして警戒したのだが、大和の話をもっと聞きたくて断れなかった。

けれども彼とはそれっきりで、会食に交ざることも電話やメッセージもない。

最後に会ったのは一年以上前になる。

(どうして井坂さんが……。もしかして、大和さんに一大事が起きたとか!?)

慌てて電話に出ると、明るくノリのいい声がする。

『葵ちゃん、久しぶり。井坂だけど覚えてる?』

「はい、もちろんです。大和さんになにかあったんですか?」

早口で問いかけると、吹き出された。

『真っ先に加賀見の心配? 俺に興味なさすぎで傷ついたよ』

「す、すみません」

井坂が笑っているので、どうやら一大事ではないようだ。

ホッとしつつも、それならなんの用かと不思議に思って続きを聞いた。

『加賀見は普通に忙しそう。いつものことだけど、しばらくあいつから連絡来てないだろ? 葵ちゃんがしょげてると予想して可哀想だから電話してみたんだけど、どう? 当たってる?』

「えっ」

どうして井坂にわかるのか。

返事ができずに戸惑っていると、また笑われた。

『なに驚いてるの? 葵ちゃんが加賀見を好きなのはとっくにわかってるよ。まさか、あれで隠してたつもり?』

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