冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
告白を勧められて眉尻が下がった。

(大和さんを困らせるだけだよ)

ホテルで勇気を出した時だって、大人になったとは言われたけど、最後は結局子ども扱いだった。

「そんなこと言われても……」

無理だという気持ちで呟くと、井坂がなにかを思い出したかのようにつけ足す。

『そうそう、警察庁の上官がさ、加賀見に娘をプッシュしてるそうだよ。お見合いを図られたんだって。結婚したら出世に有利に働く。逆に言うと断るのはリスキーだ。警視総監の椅子が約束されるなら、その結婚、俺はアリだと思うけど。まったく羨ましい話だよな。ああ、葵ちゃんにとっては悪い話になっちゃうか』

(大和さんが結婚!?)

女性に興味がない様子だったので、すっかり安心してしたが、まさかお見合いまでしていたとは。

出世に響くなら結婚を考えてもおかしくないと思い、大きな不安に襲われた。

手が変に汗ばむのを感じながら救いを求める。

「あの、私はどうしたらいいですか?」

焦らせるだけ焦らせておきながら、井坂が突き放すように言う。

『自分から行動するのは無理なんでしょ? それなら長年想い続けた相手が結婚してしまうのを、指をくわえて見てればいいよ。ごめんね、もう時間切れ。デートの予約が二件入ってるんだ。葵ちゃん、またね』

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