春待つ彼のシュガーアプローチ
「栞ちゃん、おはよ~!」


「おはよう。掲示板、もう見た?」


「もちろん!私たち同じクラスになったよ!!」


私の両手を包むように握りながら飛び跳ねる萌絵ちゃんを見て、自分も喜びを実感する。


自然と笑みが溢れた。


「何組?」


「2組だよ。栞ちゃんは1年から引き続きだね」


「うん。でも教室の場所は変わるし暫くは間違えないように気を付けないと」


「そうだね!あっ、それから……」


萌絵ちゃんが何か話そうとしたところで、どこからか一人の女子生徒がやって来て、彼女の肩をポンポンと軽く叩いた。


「萌絵、向こうで美希先輩が呼んでるよ」


「分かった、すぐ行く!」


美希先輩って、たしか吹奏楽部の部長さんだったよね。


急ぎの話とかだろうか。


「萌絵ちゃん、私…先に教室に行くね」


「ごめんね。また後でゆっくり話そうね」


お互い手を振って別れた後、私は2年2組の教室へ。


後方の出入口から入ったところでハッとして足を止めた。


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