春待つ彼のシュガーアプローチ

お昼、どうしよう。


さっきパスタ屋さんに行く話をしていたから、パスタの気分かも。


コンビニで買うのもいいけど、家に材料があるから帰ったら作って食べようかな。


そうそう、晩ご飯のメニューも考えないと。


昨日は魚料理だったから今日は……


「陽咲の隣、座っていい?」


顔を上げると、氷乃瀬くんが肩で息をしながら吊り革につかまって立っていて。


私は驚きながらもコクンと頷いた。


「周りにいた女の子たち、もう帰ったの?」


「そんなわけないじゃん。興味のない話なんて聞くだけ時間の無駄だから、隙を見て逃げた」


強制終了させてきたわけね。


まあ…あの状況だと、そうでもしなくちゃ帰れなさそうではあるけど。


「んで、校門のところにいた女子に陽咲が一人で帰ったことを聞いて駅まで走って来た。もしかしたら同じ電車に乗れるかもと思って」


その女子って萌絵ちゃんのことだ。
あの後も暫く校門前で彼とお喋りしてたのかな。


「そっか。でも無理して走らなくても次の電車だって少し待てば来るのに」


「一緒に帰りたかったから」


それって……

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