熱情を秘めた心臓外科医は引き裂かれた許嫁を激愛で取り戻す
『彼女』だと思っていたハルが『彼』だったことに驚きを隠せない。
外見で人の性別を判断してはいけないという考えは持ち合わせている。
けれど、ネットで知り合った相手だからこそきちんと確かめておかなければならない部分でもあると思う。
でもどういったらいいかわからずに唖然としていると、ハルの方が困ったように眉尻を下げた。
「まぁ驚くのも無理はないよな。騙すつもりで嘘をついて女の子のフリをしたつもりはなかったんだけど、言いそびれたままというか、誤解させたままだったのはごめん。気の合う相手と話をしたかったんだし、チャット上だけの繋がりなら性別なんて明かさなくてもいいかと思ったんだ。けど、今さらだけど……こうして会うんだったら気をつければよかったね」
「わ、私の方こそ勝手に勘違いしてごめんなさい。アイコンが桜のハルだから女の子だって想像してた……」
まさかの展開に架純はまだ驚いてどぎまぎしている。
「本名が近いからさ。スミレもそうなんじゃない? 言わなくてもなんとなく雰囲気でわかるよ」
互いにそう言い当ててからも本名は明かさない。それがオフ会のルールだ。
「えっと、お花が……好きなのね。ハルのその栞の桜、素敵だと思ったし、それからお花のいい香りがしたから」
「ああ、実はオレ、ここの病院近くの花屋でバイトしてるんだ」
「そうだったの!」
「うん。今日も朝と夕方シフト入ってて。朝のバイト終わってからきたんだ。それで花の匂いが移ってるんだと思う」
「そう」
そんな世間話をしてから、ハルが困ったような顔をした。
「その、スミレには直接会って話をしたいと思ったんだ。色々相談にのってたもののちゃんと伝わっているか自信がなかったから、心配してたんだ」
「そんな。謝る必要なんてないわ。私は、ハルに何度も助けられたもの」
「本当? スミレのこと傷つけてない?」
「ええ。大丈夫」
「よかった! スミレって本当に花みたいな女の子。オレが思ってたとおりのかわいいお嬢さんっていう感じする」
ハルが屈託なく笑顔を咲かせる。
「そ、そうかしら」
頬に恥じらいの熱がぽっと灯った。
初対面の相手に感じた印象を腹蔵なく伝えられるハルは、きっと心根の素直な人なのだろう。彼のそういう気さくな雰囲気はチャットでやりとりをしていたままの印象だ。
外見で人の性別を判断してはいけないという考えは持ち合わせている。
けれど、ネットで知り合った相手だからこそきちんと確かめておかなければならない部分でもあると思う。
でもどういったらいいかわからずに唖然としていると、ハルの方が困ったように眉尻を下げた。
「まぁ驚くのも無理はないよな。騙すつもりで嘘をついて女の子のフリをしたつもりはなかったんだけど、言いそびれたままというか、誤解させたままだったのはごめん。気の合う相手と話をしたかったんだし、チャット上だけの繋がりなら性別なんて明かさなくてもいいかと思ったんだ。けど、今さらだけど……こうして会うんだったら気をつければよかったね」
「わ、私の方こそ勝手に勘違いしてごめんなさい。アイコンが桜のハルだから女の子だって想像してた……」
まさかの展開に架純はまだ驚いてどぎまぎしている。
「本名が近いからさ。スミレもそうなんじゃない? 言わなくてもなんとなく雰囲気でわかるよ」
互いにそう言い当ててからも本名は明かさない。それがオフ会のルールだ。
「えっと、お花が……好きなのね。ハルのその栞の桜、素敵だと思ったし、それからお花のいい香りがしたから」
「ああ、実はオレ、ここの病院近くの花屋でバイトしてるんだ」
「そうだったの!」
「うん。今日も朝と夕方シフト入ってて。朝のバイト終わってからきたんだ。それで花の匂いが移ってるんだと思う」
「そう」
そんな世間話をしてから、ハルが困ったような顔をした。
「その、スミレには直接会って話をしたいと思ったんだ。色々相談にのってたもののちゃんと伝わっているか自信がなかったから、心配してたんだ」
「そんな。謝る必要なんてないわ。私は、ハルに何度も助けられたもの」
「本当? スミレのこと傷つけてない?」
「ええ。大丈夫」
「よかった! スミレって本当に花みたいな女の子。オレが思ってたとおりのかわいいお嬢さんっていう感じする」
ハルが屈託なく笑顔を咲かせる。
「そ、そうかしら」
頬に恥じらいの熱がぽっと灯った。
初対面の相手に感じた印象を腹蔵なく伝えられるハルは、きっと心根の素直な人なのだろう。彼のそういう気さくな雰囲気はチャットでやりとりをしていたままの印象だ。