熱情を秘めた心臓外科医は引き裂かれた許嫁を激愛で取り戻す
そういってハルが架純に花束をもってきた。可憐な薄紫色のスミレと純真な白いカスミソウがアメジスト色の綺麗な透けた模様の包装紙に包まれていた。
「わ、綺麗……ん、というか、誕生日……」
「違った? えっと、チャットのアイコンに風船飛んでたよね。まさか自分の誕生日を忘れてた? ハピバカップル見てたのに?」
「あ……そういえば」
誕生日に疎い架純に、スミレらしいね、とハルは屈託なく笑う。
「でも、いいの?」
「うん、もちろん。ね、ひとつ乗り越えたから、また幸せな一年がはじまるよ」
ハルがその花束を手渡してくれる。架純は両手を伸ばしてその花束を受けとった。
花からは彼の心遣いが感じられ、架純の胸の中に、青空のような清々しさを届けてくれる。思わず顔が綻んだ。
「ありがとう、嬉しい! ハルの誕生日は、やっぱり春?」
「ん、あたり。来年の桜がいっぱい咲く季節にスミレから祝ってもらえたら嬉しい」
「もちろんお祝いするわ。ぜひさせてほしい」
「やったね!」
笑顔を交わしてそれじゃあバイバイと手を振る。架純の胸はいつになく弾んでいた。
勇気を出して会ってよかった。
友だちを作るのにネット経由だってリアルだって変わらない。性別なんて関係ない。共感しあえる友達が近くにいるということは幸せなことだ。
出会いの場を提供してくれたアプリと、チャットからはじまった尊い友情に、架純は改めて感謝したのだった。
***
マンションの部屋に入ると、理人が既に帰っていた。彼はシャワーを浴びたばかりなのか、前開きのシャツのボタンが閉められていなくて髪が少し濡れていた。
その艶っぽいセミヌード場面にうっかり遭遇してしまった架純は思わずひゃっと花束で顔を隠したあと、時間差でそろりと理人を見た。
水も滴るいい男それも好きな人がそんな恰好をしていると目のやり場に困る。
架純に気付いた理人は、あぁごめん、とすぐにボタンを一つ止めてくれたが。
「おかえり、架純」
「理人さんもおかりなさい」
架純はハルからもらった花束を手にもったまま理人にお帰りなさいと声をかける。
「あの、おうちに花瓶ってあるかしら?」
「あるけど、どうしたんだ、その花……スミレとカスミソウ、まるで君みたいだな」
理人が微笑んでから首をかしげる。
「あのね、今日、ハルと会って。これはそのハルからもらったの」
「ハル?」
「わ、綺麗……ん、というか、誕生日……」
「違った? えっと、チャットのアイコンに風船飛んでたよね。まさか自分の誕生日を忘れてた? ハピバカップル見てたのに?」
「あ……そういえば」
誕生日に疎い架純に、スミレらしいね、とハルは屈託なく笑う。
「でも、いいの?」
「うん、もちろん。ね、ひとつ乗り越えたから、また幸せな一年がはじまるよ」
ハルがその花束を手渡してくれる。架純は両手を伸ばしてその花束を受けとった。
花からは彼の心遣いが感じられ、架純の胸の中に、青空のような清々しさを届けてくれる。思わず顔が綻んだ。
「ありがとう、嬉しい! ハルの誕生日は、やっぱり春?」
「ん、あたり。来年の桜がいっぱい咲く季節にスミレから祝ってもらえたら嬉しい」
「もちろんお祝いするわ。ぜひさせてほしい」
「やったね!」
笑顔を交わしてそれじゃあバイバイと手を振る。架純の胸はいつになく弾んでいた。
勇気を出して会ってよかった。
友だちを作るのにネット経由だってリアルだって変わらない。性別なんて関係ない。共感しあえる友達が近くにいるということは幸せなことだ。
出会いの場を提供してくれたアプリと、チャットからはじまった尊い友情に、架純は改めて感謝したのだった。
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マンションの部屋に入ると、理人が既に帰っていた。彼はシャワーを浴びたばかりなのか、前開きのシャツのボタンが閉められていなくて髪が少し濡れていた。
その艶っぽいセミヌード場面にうっかり遭遇してしまった架純は思わずひゃっと花束で顔を隠したあと、時間差でそろりと理人を見た。
水も滴るいい男それも好きな人がそんな恰好をしていると目のやり場に困る。
架純に気付いた理人は、あぁごめん、とすぐにボタンを一つ止めてくれたが。
「おかえり、架純」
「理人さんもおかりなさい」
架純はハルからもらった花束を手にもったまま理人にお帰りなさいと声をかける。
「あの、おうちに花瓶ってあるかしら?」
「あるけど、どうしたんだ、その花……スミレとカスミソウ、まるで君みたいだな」
理人が微笑んでから首をかしげる。
「あのね、今日、ハルと会って。これはそのハルからもらったの」
「ハル?」