極道に過ぎた、LOVE STORY
 康と二人窓に向かって走ると、そのまま窓を飛び越えると外に出た。

 外にも男がいる。康が、かかって来た男の腹部を殴った。

 「うっ」

 男が倒れ込む。


 走る目の前にも一人、かかってくる男の腕を捻り上げた。

 次から次へと男が出てくる。素人を雇ったのだろう。数だけはいるが、腕は大したことない。交わしながら康と走るが、港通りまで行けるのだろうか?

 目の前の男に蹴りを入れる。

 すると、抜けようと思っていた左側の道に、大きな黒いワゴン車が止まった。

 くそっ。まだ、来るのか!


 ガラッと、車の後部座席のドアが開いた。どんな奴が出てくるのかと身構える。

 「幸! こっちよ!」

 聞き覚えのある、甲高い声が響いた。

 「玲香!」

 車の中から、顔を出し声を上げてたのは、あの、お嬢様だ。


 「危ない、玲香!」

 玲香の乗る車に向かって、男が走って行ったが、すぐに助手席が空き、ガタイのいい男が降りてきた。反対側の後部座席から監視役の方も降りてきた。ガタイのいい男は男の腕を掴み首の裏を一発殴ると、そのまま気させてしまった。

 「早く!」

 その男が、時間を稼いでくれている間に、ワゴン車に飛び乗ると、康も続いて飛び乗りスライドのドアを閉めた。

 助手席にガタイのいい男も戻ると、素早くシートベルトを締める。

 「出せ!」

 その男の声に、猛スピードで車が走り出した。


 「どうして?」

 息を切らしながら、玲香の顔を見る。


 「夕方、幸の家に合格のお祝いにと思って行ったら、トモさんが血相抱えて出てきたから聞いちゃった。轟川の車はマークされてて、なかなかここまで来られないでしょ?」

 玲香はニコリと笑って、パーティの迎えにでも来たように言った。
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