極道に過ぎた、LOVE STORY
 「おい! なんだお前ら?」

 スカイグループの見張り役の男だろう? 粋がって近づいてくる。康がそいつの腕を締め上げ、背中を肘で付いた。

 また、別の男が来る、また、康が腹に長い足で蹴りを入れた。

 騒ぎに気付き、次々と男達が出てくる。


 私は、その場に真っ直ぐに立つ。

 「轟川組三代目組長の娘、轟川幸!」

 大きな声をあげると、男達が怯んだ。


 「轟川の娘? なぜここに? 捕まえろ!」

 男の声に、男達が一斉にかかってくる。


 「お嬢!」

 かかってきた男が倒れると同時に、トモの姿があった。

 「トモ!」

 「お嬢、ここはあっしらが! 行って下さい」

 私は大きく頷くと、前に進んだ。

 その一方で、私の後ろで康がかかってくる男を交わしながら着いて来る。

 後ろでは、男達の呻き声が聞こえる。スカイの手下の方が圧倒的に数は多いが、轟川は腕がいい。私が鍛えているのだから。


 「なんだ?」

 いかにもヤクザと言った、目つきの悪い男が前に立ちはだかった。

 こいつが、梅森の幹部だろう。

 さすがに簡単には倒れない。二人の部下もそれなりに強い。だが、ここで捕まったら、何の意味もない。


 だが、康の蹴りも瞬発力も、奴ら以上だった。多分、康は私より強い。その姿に、康がこの世界に足を踏み入れてしまった気がした。

 「行け! 幸!」

 私は、大きく頷く。

 倉庫の、重いドアを開けた。

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