極道に過ぎた、LOVE STORY
 羽柴が眠るベッドの横の椅子に座った。酸素マスク越しに見える羽柴の顔は痛々しい。本当に無事で良かった。


 「羽柴…… どうしてこんな事に…… パパは捕まってしまうし、康は警察官だったなんて。これから、私はどうしたらいい?」

 眠っていた、羽柴の瞼がゆっくりと開いた。麻酔から覚めたようだ。


 「お嬢……が、無事で良かった」

 「バカなのか? もう少しで死ぬところだったのに」

 「お嬢が無事ならそれでいいんです。夢を見てました…… お嬢が生まれた日、お嬢を守れと三代目に言われた時は、正直不安でした。でも、お嬢は小さくて天使みたいな顔で俺を見たんです。絶対にお嬢をお守りしようと決めました。お嬢の成長が私の励みでもあります。お嬢の白衣姿見られるなんて、撃たれたのも悪くないですね」


 「バカな事言わないで。羽柴に、もしもの事があたらって、どれだけ不安だったか。羽柴がいつも近くにいてくれたから安心して何でも出来た。だから、今の私がいる」


 「お嬢……」

 無表情で鋭い眼差しの羽柴からは想像もできない、優しい目をしてた。

 羽柴は、私にとっても、轟川にとっても、無くてはならない大切な存在だ。本当は、もう少し側にいて、話をしていたいが、あまり無理もさせられない。

 病室を出ると、刑事が二人待っていた。

 「羽柴さんに、お話を伺えそうですか?」

 「今夜はまだ無理しない方がいいでしょう。明日にしてもらえますか?」

 「わかりました。轟川幸さんですね。伺いたい事があります。署までご同行願えますか?」

 「わかりました。着替えて来ますので、お待ちください」
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