極道に過ぎた、LOVE STORY
 羽柴は、いい加減な事を言うような男じゃない。

 「はあ? パパが…… だったら何故? あり得ない……」

 「もっと言うなら、三代目に気付かれるている事を、康さんも気付いていたのかもしれません」

 「ごめん、羽柴。全く意味が分からない」


 「お互いがどこで気付いたのかは分かりません。ただ、お互いの目的が同じ事を悟ったのだと思います。三代目は、スカイグループの悪事の撲滅。康さんが始めからスカイグループにたどり着いていたかは分かりませんが、何らかの犯罪組織が轟川組が絡んでると踏んで、近づいてきたのでしょう」

 「だからって、パパが黙っているとは思えない」

 「ええ。でも、スカイグループを確実に潰す事を考えると、暴力だけで片付ける事が適切ではないと思ったのは私も同じです。ウチの力だけでなく、警察が目をつける事で世間の目も変わります。スカイグループが危険な組織である事を知らしめる事も必要だったのです。世間はヤクザの言葉なんて信用しませんからね。もちろん、三代目と康さんが直接話をすることはありませんでしたが、お互い黙っている方が利益があると思ったのでしょう」


 「そんな確信のない危険な話ってある? もし、それが、事実だとしたら、康だけでなく、パパも私を騙していたって事!」

 「お嬢、それは違います」

 「三代目は、誰よりもお嬢の事を一番大事に考えておられます。それだけは確かです」

 「だったら、康が嘘をついている事ぐらい教えてくれても良かった……」


 「康さんも、三代目もお嬢の安全を一番に考えておられたのです。真実をお知りになりたいのなら、康さんときちんと話してみてはいかがですか? きっと、康さんも話したい事があるんじゃないでしょうか?」

 「それを羽柴の立場で言うの? 普通だったら、康はウチの組にもスカイグループにも狙われている立場でしょ?」

 「そうでしたね。それなら、組の奴に康さんを殺るよう命じますか?」

 いつもと同じ、表情一つ変えずに言った。


 真実……

 それが、たとえ私のためだったとしても、そして、康の気持ちがどこにあったとしても、今の私には、康と向き合う自信が無かった。

 現実は、何も変わらない……



 コンコン

 病室のドアが、ノックされた。
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